2兆円超!インドネシアの「アバディ・マセラ」LNG計画がついに着工、日本企業も参画
インドネシアで長らく頓挫していた巨大エネルギー計画が、ついに動き出した。
その名も「アバディ・マセラLNGプロジェクト」。総事業費は約2兆1000億円(210億ドル)で、同国最大級のエネルギー開発案件だ。場所はインドネシア東部のマセラ・ブロック。開発を主導するのは日本のINPEXで、インドネシア国営プルタミナ、マレーシアのペトロナスもパートナーとして名を連ねている。
同国エネルギー鉱物資源相のバフリル・ラハダリア氏によると、完成時には年間950万トンの液化天然ガス(LNG)を生産。加えて日量1億5000万標準立方フィートのパイプラインガス、日量3万5000バレルのコンデンセートも産出する見込みだ。生産ガスの60%は国内市場に回され、まずは肥料工場や原料供給といった川下産業に優先的に割り当てられるという。
この計画、実は1998年に最初の契約が結ばれて以来、実に四半世紀近くも遅れに遅れていた。探査作業の長期化、開発計画の変更、投資をめぐる延々とした交渉……そして2016年にはインドネシア政府が「洋上ではなく陸上でやれ」と方針転換したため、設計を一からやり直してコストも跳ね上がったというからたまらない。
埋蔵量は約6.97兆立方フィート。インドネシア有数の未開発沖合ガス田として注目されてきた。
インドネシアはかつて世界最大のLNG輸出国だったが、ここ20年で老朽化したガス田の生産量が落ち込み、新規案件も遅れに遅れて市場での存在感を失っていた。国内消費が増えていることもあり、プラボウォ・スビアント大統領は「エネルギー自給」を看板政策に掲げる。
大統領は「我々は川下の工業化を続けなければならず、それにはエネルギーが必要だ。インドネシアには豊富なエネルギー資源がある。世界が不確実性に揺れても、我々には国を安定した航路に保つ強じんさと対策がある」とコメント。
今回のプロジェクトは、二酸化炭素の回収・貯留技術(CCS)も初めて大規模LNG開発に組み込む点でも注目される。環境対策を最初から織り込んだ、いわば「令和のエネルギー計画」といったところか。
完成予定は2029年か2030年。日本のエネルギー政策にも影響を与えそうなこの巨大プロジェクト、遅れた分だけ見応えがありそうだ。

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